iPhoneマイクでUTAU用音源を録音した時の手順メモ

はじめに

藤里がかつてUTAU用音声ライブラリ「藤音サト」を作成した際の、録音にiPhoneマイクを使用する作成手順です。

こんな音源です(試聴にオリジナル曲あるから聞いてくれ)

http://uwanosora.org/utau/

うおお、配布開始2011年…作った当時になんで書いておかなかったんだ…

とても今更ですが、そのうちまた違う音源作るかもしれないからさ、ほら…忘れちゃうと困るし…()っていうのは言い訳で、本当はマイク持ってないけどiPhoneで録音できるなら作ってみようかな、という呟きをTwitterで見かけたからであります。

というわけで、本稿は有志によって用意されているツールを全く使わずにiPhoneで録音した場合どういう手順を踏むのか?という記事になります。

意識の低い製作者がなるだけめんどくさい手間を省いてそこそこのものを作るための手順なので、高品質なライブラリを作りたい場合はあまり参考になりません。

※PCに接続するマイクの代わりにiPhoneのマイクを使用するというだけで、iPhoneでUTAU用ライブラリ作成を完結できるわけではありません。

iPhoneで録音する利点と欠点

デジタル録音できる機器なら別にiPhoneじゃなくてAndroid端末でもなんでもいいんですけどね…

利点

  • マイク買わなくていい(重要)
  • PCのファン由来のノイズが入らない
  • ちょっと離して録音しても全然音拾うから、息でボフってならない

欠点

  • 音質を求めるならiPhone用のマイクとか買ったほうがいい
  • なんかデフォルトでEQかかってる気がする
  • 環境音を拾いやすいかもしれない

録音

用意するもの

  • iPhone
  • 録音リスト

iPhoneのデフォルトアプリを使用。

UTAU用音源録音支援ソフトというとOREMOが有名ですが、これは今回使いません。

使用したiPhoneは、当時何だったかな…iPhone3sとかiPhone4だったと思います。

今のiPhoneマイクは性能が上がっていると思うので、同じようには録音できないかもしれません。

単独音リストは好きなのを使えばいいんじゃないかな。詳しく知らないので。

鼻濁音は必要だと思います。

配付されている単独音リストを続けて読み上げる形で録音します。

特にリズム等に合わせる必要はありません。

長めに発声したほうが多分音源としては使いやすいです。

後々の処理を考えると、一音一音の間は少し開けておいた方がやりやすくなります。

後の作業がめんどくさくなることを気にしないなら、一発で全音通して成功させる必要はありません。

同じ音を何個かずつ録っておいて、一番よく録れたのを採用する手もアリです。

その他気を付けること

  • iPhoneを口と同じくらいの高さになるように置く
    • あまりマイクに顔を近づけて気合を入れた発声をすると、感度がよすぎて音割れします。ちょっと離して録音するくらいでちょうどいいです。
  • なるべく雑音が入らないようにする
    • 雑音が入りやすいのはPCのファン、エアコン等。窓は閉める
    • 布団の中で録音するのは推奨しません。かえってゴソゴソする音が入りますw
    • 風呂も反響音が入るのでNG(*1)

録音後の処理

用意するもの

  • Windows PC
  • 音声編集ソフト

録音したファイルをPCに取り込みます。

iTunesの機能でwavファイルに変換。

その後、編集ソフトでの作業となります。

編集ソフトはSoundEngine Freeが無料で操作も簡単なのでおすすめ。

スクリプトが使えるので、一括処理ができて便利です。(*2)

DAWを持っている人はそっちでも。

上記でなくても、音声編集ができるソフトなら何でもOKです。

まず、ノイズ除去を軽くかけます。あまり強くかけると子音が消えてしまうので、あくまで軽めに。

「サー」という環境ノイズを薄くするのが目的です。

マウスのクリック音、咳、リップノイズなどが入りがちなので、これらの雑音を取り除きます。めんどくさいですが手動です。(*3)

複数回に分けて録音した場合は、全部繋げて単独音リスト通りの順で読み上げられるようにしておきます。ずれていると後でめんどくさいことになるので、ここはしっかりチェックすること。

全部繋がったファイルができたところで、気になる箇所を一括で直してしまいます。

特にコンプで音の大きさを揃えるのとか、後からやろうと思ったら大変です。

  • カ行、サ行をチェック。子音と母音が離れすぎていると早い曲に対応しづらくなるので、用途に応じて隙間を削除して詰める等の編集を行う
  • EQをかけて子音をはっきりさせる/もっさり感を取る
  • コンプレッサーをかけて音の大きさを揃える(かけすぎても音がつぶれるので適当に)

こんな感じで、あとは切り分ければOKというところまで直します。

切り分け

用意するもの

  • Core(フリーソフト)
  • 録音ファイル(wav)
  • 録音リスト(txt)

Core

http://forest.watch.impress.co.jp/article/2005/09/07/core.html

無音部分で分割する機能を使っての一括分割、テキストファイルを読み込んでリネームまでできる優れもの。

連番での出力もできます。

録音リストは1音ごとに改行をつけておきます。

正規表現での変換が行えるテキストエディタ等を使うと楽。

Coreに録音ファイルを読み込んで、切り分け機能を使います。

無音部分の切り分けで、適当に数値を調整してうまいこと切り分けられるようにします。

子音が無音と認識されて切れやすいので注意。

あと、サ行、カ行の子音と母音が別の音と認識されて切られてしまう事があるのでこれも注意。

前のスペースはあまりギリギリにしないほうがいいです。

ギリギリに切ろうとして必要な部分まで切れてしまうくらいなら、いっそ不要な部分まで一緒に入れてしまったほうがいいです。

どうせ後から修正はできる。(この精神、だいじ)

いい感じに切り分けられたら、録音ファイルを読み込んでリネームします。

リネーム後、ファイル名と音が合っているかチェック。

全部OKなら任意の場所に保存して終わり。


原音設定

用意するもの

  • UTAU本体
  • 切り分けした音声ファイル

せっかくなので原音設定まで自分でやってしまいましょう。特に難しくないですよ。

基本は、要らない部分を切って子音と母音の境目に線を引く作業です。

どこが境目かは、波形を見れば大体わかります。見てわからない時は、聞いて確認する。

何か文章を読んだのを録音してみて、その波形を見てどこが繋がっているか、離れているかを見るとコツが掴みやすいかと。

詳しいことは先人たちが説明を書いてくれてると思うのでパスします。

以下のurl以外にも解説記事、解説動画がたくさんあるので、わかりやすいのを探してください。

https://togetter.com/li/263123

https://www10.atwiki.jp/utau2008/pages/20.html

細かいことはさておき、とりあえず適当に設定をします。

実際にやってみる以上の学習はないのです。

どうせ後から(以下略)

というか、絶対と言っていいほど耳で確認して調整の作業は必要なので、ざっくりで大丈夫です。

大体の設定をしてくれる支援ソフトがあったような気がするなあ…なんか、私のPCでうまく動かなかったので使ったことないんですが。いや、あれは連続音用だったか。

とにかく、慣れてくると1回目は完全に作業なので、アニメでも流しながらやりましょう。

全部設定出来たら、適当なustファイルを流し込んで発声タイミングをチェックします。

チェックに使うustファイルは、調整をしていないベタ打ちのものが望ましいです。

だいたいどっかしらずれてるとか、滑舌が悪い部分があるので、2回目の原音設定で直します。

チェック→直しの繰り返し。

これは自動化できない部分なので根気よくやるしかないです。

もういいだろ…って思ったら完成。

まとめ

以上で終わりです。

用意するものに書くの忘れたけど、ヘッドホンとかあると良いんじゃないかな。

どうしても手動でやらないといけないのは声素材の修正と原音設定くらいで、あとは配付されているツールでどうにでもなると思います。

楽をしたいという気持ちが大事なのだ…(ФωФ)

*1: そういう効果を狙う場合は別

*2: 分割処理をしてしまった後で「やっぱりここを直したい…」みたいな事がないなら、特にできなくても問題はないです

*3: 後述するCoreを使えば音の長さで判別してある程度処理できるかもしれないですが…どっちにしろめんどくさいんだよなあ。